【禅語】薫習:師のよい香りに包まれて影響をうけ、自らもよい香りを漂わせよう
昨年の今頃までは、仕事場や行きつけのカフェ、電車の中などで、多くの他人に接して生活していましたが、最近はオンライン以外では家族としか接していない、という方が増えたのではないかと思います。
ちょっと寂しい状況ではありますが、逆にいうと、職場などで決められた誰かと一緒に長い時間を過ごさなくてよくなった今こそ、「薫習(くんじゅう)」のチャンス到来、かもしれません。
今週のクラスのテーマ「薫習」について、ポイントを2つに分けてお伝えしたいと思います。
【1】師のよい香りに包まれて、よい影響を受けよう
「薫習」の「薫」は「かおる、匂いがする」という字ですが、よい香りの中にいれば、気づかないうちによい香りが自分の体に染みついてしまうように、「優れた人の近くにいると、知らないうちに、自分も優れた人になれる」という意味の言葉です。
匂いって知らないうちに、移りますよね。
クリスマスケーキの白い生クリームに、飾りの苺の香りが染み込んでいて、びっくりしたことがありました。焼肉を食べにいくと、服が煙の臭いになります。
この人は素敵だなあ、この人のこの部分は学びたいなあ、と感じる人がいたら、その人はその分野で優れている、あなたの先生、師匠、メンターです。
その人の放つよい香りに包まれて生活してみるのはいかがでしょうか?
つまり、その人を身近に感じて、よい影響を受けるのです。
その人が友人だったら、オンラインで連絡をとって、メッセージのやりとりやおしゃべりをしてみる。その人の素晴らしいところに改めて気づくだけでなく、バーチャルですが同じ空間を共有することで、知らず知らず、その人のよい影響を自分が受け取るかもしれません。
その人が有名人であれば、その人の写真を飾ったり、その人の書いた本を近くに置いておいて、ちょこちょこと読んで、その人の思考を身近に感じてみる。
その人のポッドキャストを聞いたり、動画があるなら、例えば、朝歯磨きをするときに観て、その人が発するバイブレーションを感じてから一日をスタートする。
自分の生活の中に、色々な意味で見習いたい人、そうなりたい人、つまりあなたの師が居る空間・時間を作りだして、じわじわとよい影響を受ける作戦です。
実はこれ、私が最近やっていることなんですが、効果が目に見えるようにでてきています♪
さて、逆の例もちょっと考えてみましょう。
嫌な臭いも染みついてしまいますよね~。
居酒屋さんに行った翌朝、上着に誰かのたばこの臭いが染みついていたり。すごくがっかりするやつですね。(外出自粛の今では、ちょっと懐かしいエピソードですがw。)
例えば、自分は影響されないと思っていても、ネガティブな思考や言動をする人たちに囲まれていたら、知らず知らずに自分にも染み込んでしまっているかもしれません。
もしそんな人がいる職場にお勤めだったとしたら、今はとてもラッキーな時期ですね。
人との関わりが少ない今こそ、自分の周りを素晴らしい人が放つ、良い香りで満たして、良いい影響を受けようではありませんか。
【2】思いや行いは習慣となり、心の奥底に影響を与える
「薫習」という言葉が教えてくれる、もう一つの大事なこと。
いつもお香を焚いていると、お部屋の中のものにも香りが染みついてしまうように、「人の思考や行動は、知らず知らず、習慣となって心の奥底まで影響を与える」のです。
つまり、お香の香りが他の物にその香りを移して、いつまでも残るように、自らの考えや行いは、それがなくなった後でも、心の中に染みついてしまい、習慣として残ります。
普段どんなふうに考えて、どんなふうに行動するか、がいつのまにか、心の習慣として確立されてしまい、それが、よくも悪くも心に影響を及ぼしてしまうんですね。
例えば、毎日、ジョギングや筋トレをして、栄養バランスのよい食事を摂る習慣がある人は、免疫力の高い、強い身体を作れますよね。
考え方や行動も、同じような習慣となり、心を作ります。
「どうせ、だめだろう」「自分にはできない」といつも考え、「失敗するから」「めんどうだから」“やらない”ことをいつも選んでいると、その習慣が弱い心を作ります。
「きっと、うまくいく」「私にはできる」といつも考え、「チャレンジしてみたいから」「面白そうだから」“やる”ことをいつも選んでいると、その習慣が強い心を作ります。
その思考や行動が作りあげた習慣は、匂いとして、その人の周りにも漂うのではないでしょうか?
一緒にいるだけで、なんとなく明るい気分になる人。元気をくれる人、安心感をくれる人。
よい香りを放つ人になりたいものです。
それには、考え方や行動を変える。
一気にごっそりと変えることはできないので、一つずつ。
まずはマインドフルに、気づくことから。
「あ、今、どうせだめだろう、って思ったな」と気づく。
そうしたら、「本当に?」ともう一度考えてみる。
One step at a time.
まずは小さな一歩から。
そして、一歩前に出た!と、すご~く喜んで、自分をほめてください。
小さな変化が積み重なって、1年後にはものすごく進化して、素敵なよい香りがあなたの周りに漂っています♪
これを読んでくださった誰かに、私の想いが届いたら嬉しいです。