【禅語】慈眼:慈しみの眼差しは幸福をよぶ
目は心の鏡、と言います。
初対面の人でも目をあわせてみると、だいたいどんな方なのか想像がついたりしますね。
そして、愛情にあふれて、何でも包み込んでくれる大きな心、慈しみの心を持っている人の目は、ず~っと見ていたくなるほど、心地よいものです。
慈しみの波動がその目からあふれているからでしょう。
最近、毎日のように動画で見ている師の目はまさに慈眼。その目に優しく励まされ、この目なりたいな~と、目標にしています♡
そういえば、かつて、ヨガの師匠が国に帰ってしまって新たな先生を探していた時、ばったり会った久しぶりの友人が、「今度この方の講演を聞きにいくのよ~」といって鞄から出した本の表紙にプラユキ師の笑顔がありました。
なんとも優しい目で笑っていらして、この人に習おうと思いました。この笑顔はブッダ(悟った人)だ、とピンときたからです。
私が師として尊敬する方々は皆、慈しみがあふれ出る目をしています。
さて、今週の『微笑みヨガ with 禅』のテーマは「慈眼(じげん)」。
「慈眼視衆生(じげんじしゅじょう)福聚海無量(ふくじゅかいむりょう)」
観音経にある言葉で、「観音様は思いやりの眼で私たちを見てくださっている。そのように生きれば、幸福が集まってきて無限の海のようになる」という意味だそう。
宗教画のような光輝く海原が目に浮かんできますが、仏教や禅はファンタジーではなく、とっても現実的。
「慈眼」は日常生活において、実際に幸福を呼び寄せますので、ポイントを3つに絞ってお伝えします。
【1】慈しみの眼で他人を見ると、自分自信にもよいことがある
自分の目にフィルターがついていることには、なかなか気づきにくいものです。
否定的、批判的な心で他人を見ていると、よくないな~、ダメだよな~と思うところばかりが目につくようになります。
家族や親しい人だと、つい、ダメだしをしてしまったり、その人を否定するような声がけにつながりますね。
逆に相手のすべてを肯定して、広く優しい慈しみの心で見つめていると、よいところ、できるところがたくさん目に入ってきます。
そして、「〇〇なところが、とてもよいね~」「〇〇が素晴らしいね~」といった肯定的な声がけが自然に生まれます。
慈しみの眼で相手を見ることは、もちろん相手のためになりますが、その人の短所を見てイライラしたり、がっかりしたりするよりは、長所に注目して、ニッコリ微笑んで、褒めてあげたり、喜んだりするほうが、ご自身の精神衛生によいですし、愛情ホルモンのオキシトシンが分泌したり、一緒になって喜んで幸せホルモンのエンドルフィンが出たり、メリットが多くあります。
【2】慈しみの眼で見ると、相手の立場から多面的にものごとを捉えられるようになる
例えば、誰か身近な人に、何か言われたくない嫌な言葉を言われたとしましょう。
それに対して、まずは腹が立ったり、悲しくなったり、マイナスな感情が生まれますね。
そして、その次ですが、そんな相手に対して、優しい慈しみの心が持てたとしたら、どうなるでしょうか?
言われた言葉が、いわゆる”小言“だとしたら。
わかってるけど、やれてないだけ。そんなのは自分が一番わかってるんだから、あえて言わないでよ。腹が立つ。というのが普通のパターン。
しかし、慈しみの眼で相手をみることができたら、「ちょっと言い方がキツイのは嫌だったけれど、私の悪いクセを直してほしいと願ってくれている。私を愛してくれているからね~」と思えるかもしれません。
すると、お腹の中で燃えていた怒りの炎がす~っと小さくなりますね。
「心に怒りを持っているのは、燃えている薪を投げ返そうと思って抱きしめているのと同じ」とブッダは言ったそうです。
腹が立ったら、自分の心が焦げてしまわないうちに、さっさと怒りを手放したいものです。
言われた言葉が、いわゆる“嫌味”だったとしたら。
感じ悪~い、ひどい~、あんな風に言わなくても、、、と悲しくて悔しくて泣けてきたとしたら、慈悲の眼で相手を見てみます。
それが、自分に対するひがみや妬みからくるものなら、「なんてかわいそうな人なんだろう。私が優れているから、ひがんでいるのね~」「あんな言い方はひどいけれど、まあ、せいぜい言わせてあげましょう。許してあげる~」と思えるかもしれません。
大きな心、慈しみにあふれた慈悲の心で相手を見ることができると、その言葉を言ってしまった相手の立場から状況を見て、相手の気持ちを想像してみることができます。
そして、さっさと許して、ネガティブな感情を手放しましょう。
【2】自分自身のことも、慈しみの眼で見つめよう
人は無意識を含めると、一日に6万回も思考していて、そのうちの8割がネガティブな言葉だそうです。
その中には自分に対しての厳しい言葉や、自己否定的な言葉が含まれている可能性は高いですよね。
「おまえは〇〇ができない。」「おまえは△△がダメだ。」と、毎日、毎日、他人から声をかけられていたら精神を病んでしまいますよね。
同じことを自分自身にしていないかどうか、要チェックです!
一番大事な相棒である、内なる自分に言われていたら、他人から言われるより、さらにショックですよね。声に出したら言えない酷い言葉さえも、無意識のうちに脳内で繰り返しているかもしれません。
自分を傷つけるような声かけはやめましょう。
おススメなのは、マインドフルネスや瞑想です。
脳のおしゃべりをピタッと止めることができます。
最初はよくしゃべるな~と、脳のおしゃべりを見つめるだけでOK。見つめて気づけるだけでも、大進歩です。
どんどん思考が浮かんでくるので、確認したら、箒で掃くようにしてサッと捨てます。
それを何度も繰り返していると、静か~な、平穏で心地よい、安心安全な空間ができます。
そして次に、今ここにある感覚、浮かんでくる感情などを優しい気持ちでうけとめて、慈しみの心を自分自信に向けます。
なんでもOK。ありのままでOK。
ただ、ここに生きているだけで、OK。
わちゃわちゃと脳内でしゃべっていた内なる自分が静かになり、愛と慈悲の気持ちで優しく包まれると、至福の癒しとなり、リフレッシュできます。
自分を癒した後は、さらに一歩進んで、慈悲の瞑想、メッターバーバナがおススメです。
自分も含まれる、ありとあらゆる、すべてに対して、慈しみの心を捧げる瞑想です。
「すべての生きとし生けるもの、目に見えるもの、見えないものが、苦しみから解放されますように。心の平穏を得られますように。この愛と光が届きますように。」
そう心の中で唱えながら、慈しみの光を送ります。
夜、寝る前に行うと、何とも幸せな満ち足りた気持ちで眠りにつけます。
ぜひ、お試しください♪
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