【禅語】自由自在:自分軸で行動し本来の自分に繋がる
今週の『微笑みヨガwith禅語』のクラスのテーマは「自由自在」です。
新しい年をどんな一年にしていくのか考えたときに、とても大事なことを教えてくれる、覚えておきたい禅語です。
コロナ禍のちょっと窮屈な生活が長く続いていますので、今年の抱負としてのびのびとした言葉を選ぶのもよいのではという思いもあります。
今年の私は「自由自在」に生きる!
な~んて宣言してみたらどうでしょう?
いい響きですね~♪想像するだけでワクワクしませんか?
ではどうしたら「自由自在」に生きられるのでしょうか?
この禅語自体にヒントが詰まっているな~と感じるので、前半で意味を、後半で日常での役立て方をお伝えしようと思います。
「自由」とは自分軸を持って行動すること
私たちに馴染みのある「自由」という言葉には「束縛されていない」「解き放たれている」というイメージがありますが、これは明治以降にFreedomとLibertyの訳語として使われたことによるものだそうです。
本来の仏教用語の「自由」とは「自らに由る(みずからによる)」。
つまり「自分自身をよりどころにする」、どんな環境や状況におかれても、自分の軸を持って、ブレずに行動できる状態のことを「自由」といったのですね~。
「あの人は自由でいいな~」というとき、確かにその人は周りにとらわれることなく、自分軸で(ある意味自分勝手に)行動している人ですよね。
自分勝手というと勝手気ままなネガティブな響きがありますが、ニュートラルに考えてみると、自らをよりどころとして、自分軸に従って行動することによって、初めて他人に縛られずに行動できますね。
また、縛りをかけるのは他人だけでなくて、自分自身の心の中にもたくさんあります。
虚栄心や執着、自己肯定感の低さなども行動にブレーキをかけて自分軸をブレさせる原因になるのではと思います。
それらに縛られない、清々しい心があれば、自由な自分、自分の軸を見失わずにいられます。
とはいえ、周囲の目を気にしてしまったり、他人の意見に左右されたり、自分軸がよくわからなくなることは往々にしてあることですよね~。
ですが、“本来の「自由」とは自らをよりどころにするところから始まるのだ”という禅の教えは心のどこかに覚えておくとよいと思います。
苦しいことがあったときに、そこから逃れて一時的に「自由になった」と思うかもしれませんが、それは本当の自由なのだろうか。自分軸に従った結果なのだろうか、ということを自問してみるがよいのではないでしょうか。
「自在」とは本来の自分と繋がっていること
「自在」という言葉は「思いどおりに」「意のままに」などのイメージがありますよね。
仏教用語としての意味は「心が煩悩の束縛から解放されて自由となり、何事でも思うがままになしうる能力」とコトバンクにありました。
私の解釈になりますが、「自在」とは「自ら在る」状態。
ちょっと難しい表現になってしまいますが、日常的な私と、本来の自分(真我/アートマン)とが一体になっている状態だからこそ、思うがままに事をなせるのではないかと思います。
まずは、マインドフルに、しっかりと今ここに気づいて、心と体と頭が一体になっている状態で在ることで、上滑りせずに、物事をなすことができます。
その次の段階では、本来の自分と日常的な私が繋がったときに、本当に必要なものが分かったり、本来のやるべきことが見えてきたり、気づきが生まれるのだと感じます。
ヨガでは身体のポーズや呼吸法などで心の不必要な動きを取り除いていき、本来の自分に繋がるための修行をします。
仏教では「自在」が「悟り」と同じ意味で使われることもあり、禅の修行では心の中に執着や煩悩がなくなって澄み渡ったときに、この悟りの境地になり、何でも思うがまま、自在になれると説かれています。
真理は同じなのですね~。
そんな境地をはるか遠くに見据えつつ、まずは今この瞬間、マインドフルになることから始めましょう!
次のステップとしては瞑想を深くしていって自分の内側と繋がる時間をもてるとよいですね。
今朝のクラスでは呼吸に意識を向けるアーナパーナ瞑想をやりました。
粗雑な感覚からより繊細な、微細な感覚に気づけるように意識をとがらせていくと、自分の内側と繋がりやすくなり、本来の自分の思いや意図に気づけるようになります。
「思いのままに」「意のままに」なすことができなくても、少なくとも、本来の自分がどう思っているのか、何をしたいのか、に段々と気づきやすくなりますので、おススメです。
自由自在になりたい、と思ったらやってみること
理想の心の状態は頭ではわかっても、実際の生活となると、社会的な制約や、職場や家族の中での役割や義務など、いろいろなしがらみがあって、なかなか自由自在にならないないものですよね~。
もし、ああ、あれもできない、これもできない、自由がない~、と感じたら、次のことをやってみるとよいのではと思います。
- 1)まず、自分自身に向き合って、じっくりと自分の気持ち、抱えている感情に向き合ってみましょう。
静かな場所で目を軽く閉じて座り、呼吸に集中してから行うのがよいと思います。
否定しないで、湧いてくるものを全承認、全肯定で受けとめてあげます。
浮かんできたこと、感じていることを書き出すのもよいです。
目に見えるように、テーブルの上に載せていくイメージで、次々と書いていきます。
「へ~、なるほどね~。そうなんだね~。」と、ひとつひとつについて、よい悪いの判断はしないで、ただの事実として、他人事のように眺めてみます。
でてきたものモヤモヤの正体がなんだかわからないものもありますので、書き出したあとに、これは何だろう、と考えてみるのもよいです。
顕在化していなかった感情が隠れていたりするので、ありのままをまず見てみてから、それの背景を探ってみてください。
- 2)次に自分自身の軸、大事にしているもの、こんなふうに生きたいといった価値観について思いをめぐらせてみます。自分の大切にしている人や自分の理想の生き方の具体的なイメージを紙に書いてみるのが分かりやすいと思います。
私は〇〇でいたい。〇〇がしたくて生きている。
そんな簡潔なフレーズで、これだけは譲れない、大切なものだけに絞り込んで書きます。
- そして1と2を比べて眺めてみます。1が現状で、2が理想という構図になっているかもしれません。
自分自身の軸が見えてくると、1で最初に感じていた不自由な感覚に少し変化が生まれるかもしれません。
例えば、家族のお世話に自分の時間がとられてしまって、自由がなくて束縛されているな~、と感じていたとしましょう。
書き出した自分の感情はまず、しっかりと受けとめて、そうだよね~。お疲れ様。辛いよね~と認めます。
そして次に大きな視点でみたときに、「家族は大切で、みんなの幸せを実現したい」という自分の軸があったことに気づいたら、自分の意志で、自分軸で行動しているのだと思えるかもしれませんね。
すると、不自由であるという感覚が少し変化して、前とは違った印象になるのではと思います。
やらされているという感覚、自己決定感のない状態の行動を続けていると自己肯定感が下がっていきますので、やらされているのではなくて、自らの意思でやっているのだ、と思ったほうがストレスが溜まらないですし、自尊感情が高まっていきます。
私自身の経験ですが、「微笑みヨガ」の仕事を副業としてやろうと決めて、実行し始めた頃のことでした。
本業に加えての仕事ですので、元々の休暇の日はやるべき仕事でいっぱい、スケジュールどおりには進まず、身体も心もお疲れモードだったのだと思います。
朝の瞑想をしているときに、なんだろうこの気分は、と見つめていったところ、思ったように進まないことによるイラついた気分や、お休みがないという不満や、うまくいくんだろうかという不安など、色々とでてきました。
それはそれでOKなのです。
その後で、その一連の出来事は、自分自身が好きではじめて、やりたいからやっていることだったよね~、と自分軸による行動の一部だったことに気づきました。
誰にもやらされているわけでなく、自分が好きで始めたことで、自分で決めたとおりに進んでいない、ただそれだけでした。
なーんだ、あはは。笑っちゃいました。
それに気づくことができたので、気持ちをリセットして、ゆっくりする時間をとったり、スケジュールを変更したり、シンプルに改善することができました。
まとめ
誰かや何かに寄りかかることなく、自分を拠りどころにすることで、縛られない、ブレない、しっかりとした自分軸で行動することで、「自由」に生きる。
上っ面でない、本来の自分自身に繋がって、思ったとおりの、本当に生きたい人生を「自在」に生きる。
自由自在。
一度きりの人生。自由自在に生きたいものです♪