【身体で覚える般若心経】登場人物と結論(第2回)
先月から始まった般若心経をテーマに身体を使って笑って覚えるほほ笑みヨガ♪
日常生活の中で経験したことなどを通して、ふとした瞬間に、ああ、この状態はあのときに知った禅語のまさに〇〇だな~、と腹落ちする瞬間があります。
智恵のおかげで、悩まずに済んだり、明るく前向きな気持ちになれたり、禅の智恵はメンタル改善に役立つだけでなく、ストレスを減らして身体を健康にしてくれます。
現代人の病気や体調不良の主な原因のひとつ、過剰なストレスと脳の使いすぎを「笑いの効果 X 禅の効果」で解消するプログラム♪
私自身が楽しんでいるのですが(笑)、寒い朝7時にオンラインに集まった皆さんが、笑いあってエネルギーを交換しあった後に、キラッキラした笑顔になってくださるのを見るのも嬉しいです!
「よい一日を~!いってらっしゃ~い」とお見送りすると、最高の朝のスタートになります♡
さて、第一回では「般若心経とは何か」について、曹洞宗不動寺の住職西田拓大氏(拓さん)がとても平易な言葉で教えてくださいました(前回の解説はこちらへ)。
今第二回は「般若心経のかたち」について、これまた分かりやすく解説してくださいました。
しかも、一つ一つを掘り下げて考えてみると、深い!
さすがの解説ですね~。ぜひ、最後の結論まで読み進めてみてください。
般若心経に登場する人は誰?
さあ、いきなりクイズです。
拓さんが詠みあげた下記の部分に、登場人物は何人いるでしょうか?
観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時
照見五蘊皆空 度一切苦厄 舎利子
正解は二人。
それは、観自在菩薩と舎利子です。
観自在菩薩については後ほど述べますが、舎利子とはお釈迦様の弟子の10人の中で最も優れた方のお名前。
このお経が始まる前に、舎利子が「完成された大きな智慧を得るためには、どうすればよいのでしょうか?」と菩薩さまにたずねたという設定がされていて、菩薩さまがそれに答える形で、その答えの部分がこの般若心経になっているんですね。
般若心経はお釈迦様が語っているのだと、なんとなく、ぼんやりと思っていた私は、ああ、そういえばそんな構成だったんだー、と改めて気づきました。
語っている人は観音様だったのですねー。
詠む時に頭に浮かべるイメージがお釈迦様から観音様に変わりました。
物事を自由自在に、あるがままに観れる人
観自在菩薩は、物事を自由「自在」に、あるがままに「観る」ことのできるお方です。
何事にも囚われないからこそ、すべての人に救いの手を差し伸べることができます。
西田氏
なるほど~、と思いました。
何事かに囚われていたら、あるがままに観ることはできない。
何かの色眼鏡をかけていたら、あるがままが観れなくて、すべての人は救えない。
もし、観音様が何かの偏見を持っていたり、頑なな価値観を持っていたり、誰かに忖度したりしていたら、すべての人を救うことはできないですよね。
例えば、過去に悪いことをした人は絶対に許さない、と思っていたら、その人が改心して良い人として人生をやり直そうと思っても、救いの手を差し伸べられないでしょう。
この人は沼から救ってあげても、またきっと沼に落ちちゃうんだろうな~、なんて思っていたら、きっと救いの手を伸ばすことはできないでしょうね。
救いの手を伸ばしてあげたいけれど、今の私の立場、私の力量、私の置かれた状況では無理だよなぁ~、なんて考え始めたら、もう、その人は救えないでしょう。
誰かを救う人になるということは、すべての物事から自由になる、囚われない存在になる必要がある。
例えば、価値観への執着から離れる、偏見から離れる、立場を離れる、自己肯定感のなど。
現実的に日常生活の中で、誰かを救ってあげたいけれど、できないんだよね~、と思った時に、ちょっと考えてみるのもよいかもしれません。
- 本当にできないのか?
- 自分が何かに囚われていているから、できないと思っているのではないか?
- ただやらないだけではないか?
それでもやらなくてよい、と判断するなら、それでOKです。
もしも、大事な人が困っていて、救ってあげられないんだよね~、と感じているのだとしたら。
その状態は自分にとっても、ちょっと辛いですよね~。
もしかして、よーく考えてみると、何かに囚われていませんか?
たぶん無理だろう、できないだろう、という思い込みとか。
出しゃばってはいけない、という誰かへの遠慮とか。
それから離れてみたらどうなるでしょうか?
意外と簡単にその人を救える方法が見つかるかもしれません。
菩薩が感動を熱く語る
さて、観音菩薩が舎利子に話しかけているとき、お釈迦様は何をしているのでしょうか?
お釈迦様は霊鷲山(りょうじゅせん)という山でたくさんの弟子や菩薩さまたちに囲まれて、一人で瞑想をしています。
そのお釈迦様が瞑想する姿を観音様が感じて、舎利子に語るって、どんな状況になっているんでしょうか?
素晴らしい大自然がそこに在ある。ものすごく尊敬する人がそこにいる。それだけで影響をうけ、そのことを熱く語ることはないですか?そういう感じです。
西田氏
なるほど~。
般若心経は観音様が舎利子にその思いを熱く語っているという構成なのですね~。
もしかして、これは私の私見ですが、このお経が愛されて詠み継がれてきたポイントの一つとして、この、観音様が思いを熱く語る、という構成にも秘密があるのかな~とも思いました。
心が震えるほど感動して、その思いを言葉に紡いで熱く語りかけている観音様。
語りかける相手は誰よりも大切なことを知る必要があるお釈迦様の最も優れたお弟子さん。聞き手としては最高の相手です。
観音様がちょっと興奮ぎみに語っている姿を思い浮かべると、熱い思いがお経を通して伝わってくるように思えます。
モノクロだったお経の文章に彩りが加わって、カラーになったような、みずみずしく生きている感じ。
その感情の部分が表れているところが、お経の最後のエンディングの部分かな~と思って、拓さんに聞いてみたところ、やはりそのようです。
それについてはまた後日の回で解説していただきましょう♪
結論:照見五蘊皆空 度一切苦厄
禅の教えはスッキリさっぱりシンプルです。
このお経は最初にずばっと結論を伝えています。
その後で各論に入っていくスタイルなので、シンプルで分かり易いですね~。
結論は「照見五蘊皆空 度一切苦厄(しょうけん ごうん かいくう ど いっさい くやく)」
分かった(照見)。私たち人間は肉体と精神が集まったものだ(五蘊皆空)。
そして、それらはすべて空だ(皆空)。錯覚だ。人間は錯覚の生き物だ。と言い切っています。
自分で自分を錯覚させることも、自分を錯覚から目覚めさせることも、錯覚に意識的になれると、すべての苦しみから解放されることも可能かもしれません(度一切苦厄)。
西田氏
うぉ~!
これからどんな説明が後に続いていくのか、楽しみですね!
次回のテーマは五蘊です。
どんな内容になるのか、お楽しみに~♪
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