"なりたい自分になる" 中学部・高等部での講演会
先日、相模女子大中学部・高等部の学校保健行事にて講演をする機会をいただきました。
『固き心を以って、やさしき行いをせよ』という建学の精神の学校で、私の『微笑みメンタル』の打たれ強く、自他への慈悲・慈愛の心を育てる活動との親和性を感じるご縁でした。
「固き心」とはぶれない自分軸、「やさしき行い」とは他者にも自分にも優しい、易しい行いなのではと思うのですが、自ら行動する強くて優しい女性を育てる学校なのだと思います。
私も女子高出身なので、未来に夢を描くキラキラした女子たち、思春期の悩みもある女子たちに会えるのがとても楽しみでした。
お声がけくださったH先生、企画にご快諾とご協力をくださった先生方、午前中の授業の時間帯にしていただけたことなど、素晴らしい機会をいただいたことに本当に感謝しています。
コロナ禍の安全対策として、会場には中学2年生、中学1年生は教室へのライブ中継による参加、中学3年生・高校生と保護者の方は週明けに動画配信という形での実施となりました。
講演のテーマはH先生が考えてくださった『笑いヨガでリフレッシュ!マインドフルネスでなりたい自分にリセット』で行いました。
何度か事前の打ち合わせをさせていただいくなかで、コロナ禍で生徒さんだけでなく、保護者の方にもストレスが溜まってしまい、それがまた生徒さんに影響してしまうというお話しをうかがって、ご家族で一緒の体験をしていただける貴重な機会であることにワクワクしました。
溜まりがちなストレスを発散するのも目的のひとつですが、『なりたい自分になる』ためにはどうしたらよいのか、あまり日常で考えない方もいらっしゃるかもしれません。
笑いヨガやジブリッシュで身体の動きを使って心を解放していく方法を体験していただき、簡単に気分を変えられること、日々のメンタルを自分でマネジメントしていくことで思考の変化がおこり、未来が変わっていくことをお伝えしました。
総数で約350名の方にご参加いただき、参加後のアンケートでは笑いヨガとジブリッシュで75%が「ポジティブな気分になった」、マインドフルネスで80%が「穏やかな時間を感じることができた」という回答をいただくことができました。
当日の内容に感想を交えてお伝えしたいと思います。
【どんな人生にするか、自分で選んで変えていくことができる】
中学高校の多感なお年頃の生徒さんたちに、私がいちばん伝えたいと思ったテーマはこれでした。
最初に「次のどちらを生きたいですか?」という質問をしました。
- 1.しんどくて、苦しい、つまらない人生
- 2.楽ちんで、喜びのある、楽しい人生
実は誰もが「楽ちんで、喜びのある、楽しい人生」を生きることができて、それにはやり方があることをお伝えしました。
何かのできごとがあったとき、それ自体を変えることはできませんが、心の反応の仕方、心の癖を変えていくことで、違った人生を歩んでいくことができます。
人生とは一日一日が連なってできていくもの。
その日一日、心がどう反応して、どう意味づけて、どう行動するかを自分自身が変えていくことで、人生は違ったものになっていきます。
これについての詳細は当日の一時間の講演の中では時間の関係で説明することができませんでしたが、これは何千年も経て受け継がれているブッダの教えとして説かれているものであり、アドラー心理学でも説明されている心のメカニズムによるものです。
もし、講演にご参加いただいた後にこのブログを読んでいらっしゃる方がいらしたら、『反応しない練習』(草薙龍瞬著)やアドラー心理学の本を読んでいただき、深い内容を知っていただけたら嬉しいです。
アドラー心理学については平易な本や漫画が多数出版されているので、ご自分が読みやすい内容のものを手にとっていただくのがよいと思います。
【すべてのできごと、ものごとには二極性がある】
次に、気分を日常的に明るく、メンタルをポジティブにチューニングする習慣を続けていくことで、なぜ「楽ちん」で「喜びがある」「楽しい」毎日、人生になっていくのかという説明のために、会場の皆さんに陰陽ボールを見ていただきました。
すべてのものごとやできごとには陰と陽の二極性が混じりあっていることを表した勾玉を組み合わせたような陰陽のマークを球体にしたものです。
黒い面の中には白い小さなまるがみえます。この白い部分は裏側の白い面に繋がっていて、球体の中では白と黒が組み合わさっています。
白が嬉しいほう、黒が嬉しくないほうとして、例としてコロナ禍というできごとをボールに見立ててみました。
黒い面を見ると、人類史上最大のパンデミック。多くの人が亡くなり、悲しいことや残念なことがたくさん起こり、現在も進行中です。
ですが、その黒い面の中にも、小さな白いまるがみえます。
真っ黒に見える中の小さな白い部分に注目すると、家族と一緒に過ごす時間が増えた、オンラインが発達したなどのポジティブな事柄もみえてきます。
ボールをくるっと回すと、裏側に白い面がありますが、数年後にこのできごとを振り返ったら、コロナ禍がきっかけで改善されたことなどが増えて、白いほうがもっと大きく見えるのかもしれません。
【どうすれば、一日を、人生を、変えられるのか?】
では、話しをここに戻します。
簡単に言ってしまうと、よく笑って楽しい気分でいると、日常的に笑いやすくなります。
なぜかというと、人間の脳は心地よいものを好む傾向があるので、笑いによって分泌された幸せホルモンや快楽ホルモンを心地よく感じ、その習慣を繰り返すようになり、よく笑うようになります。
日常的によく笑って楽しい気分でいると、ものごとやできごとの楽しく、明るい側面にフォーカスしやすくなります。
眉間に皺を寄せて、苦いものを噛んでいるような顔をしている人にとっては、何か新しいことが起こった時にネガティブな側面が見えてしまう、そう想像すると分かりやすいかもしれません。
また、心のあり方として、ネガティブな感情を外に出して心が清々しくクリーンな状態にあると、できごとやものごとの美しい側面に意識や思考が焦点を当てやすくなるようです。
つまり、これらを目的としたエクササイズを日々行っていけば、一つ一つの出来事の感じ方が変わり、行動が変わり、一日の過ごし方が変わっていくのです。
【身体の動き/笑いと呼吸を使う】
会場の皆さんにはまず初めに、身体の動きや表情筋の使い方で気分が変わることを実感していただきました。
参加後アンケートのコメントには、
「悲しいことを想像していても、笑ってしまった」
「単純な身体の動きだけで笑えることを知って、びっくりした」というお声をいただきました。
実際やってみると、なるほど~と思っていただけることが多いようで嬉しいです。
次に笑いヨガを体験していただきました。
当日は説明をする十分な時間がとれないことから、生徒さんと先生方にはお昼休みを使って「笑いヨガとは何か、どんな効果があるのか」の説明と、実技の導入部分の動画を事前に観ておいていただきました。
その効果もあったのだと思いますが、会場の皆さんが思っていたよりもずっとよい反応を示してくれて、たくさん笑ってくださいました!
先生方のノリもとっても良かったのですが、生徒さんの盛り上がり方を見ていると、先生方が生徒さんに愛されているのだな~ということが伝わってきて、微笑ましかったです。
参加後のこんなコメントをいただきました。
「単純な体の動きだけで笑えることを知ってびっくりした」
「作っていた笑いが本当の笑いに変わっていってすごいと思った」
「笑っているだけで少しはストレスが無くなることが分かって実践したいと思った」
私自身も、始めたばかりの頃は、面白いことが無いのに笑うことなんてできないよ〜と思っていました。
ほんの少しの体験でしたが、笑いはメンタルを上向きにするのに強力なツールであること、深呼吸の吐く息で手放したい感情をリリースしてリラックスできることを実感していただけたのなら、とても嬉しく思います。
【意味のない言葉を話して感情を解放する】
その次に、ネガティブな感情を排出する方法として、でたらめな言葉をしゃべるジブリッシュで、駄々をこねたり、怒りや悲しみなどを表現する体験をしていただきました。
ほんの少しの体験なので、本物のネガティブな感情をその場で出すのは難しいのですが、あえてやっていただきました。
こんな方法もあるんだ~ということ、どうやったらよいのかというやり方を知っていただき、必要なときに使ってもらうことができたら役に立つのではと思いました。
「日頃イライラを外に出せないので、ジブリッシュを活用してスッキリしようと思いました」
というコメントがあったのでとても嬉しく思います。
中学生、高校生は大人とは違った割り切れない思いなど、様々なストレスがあると思います。
先生や保護者の方だって、言葉に出せないフラストレーションがあります。
「言ってはいけない」は他人目線、自分自身を労わる目線ですと、感情は押し殺さずに出した方がいいです。
自分も周囲の人も傷つけることのない意味のない言葉「ジブリッシュ」で、ただただ思っている感情を声にだして発散してもらえたらいいな~と、心から願っています。
【今ここにある、内なる静けさを感じる】
最後に呼吸を整えてから、胸に手をあてるハート瞑想から、呼吸に意識を向けるマインドフルネスを体験していただきました。
初めて体験する方が多かったにもかかわらず、「穏やかな時間を感じることができた」とアンケートの8割の方が答えてくださったのは予想以上の効果でした。
意味もなく笑ったり、意味のない言葉をしゃべったり、きっと頭も心も大忙しで大変だったろうと思います。
それが終わった安堵感と、深呼吸でリラックスした後に、ご自分の中にある静けさに向き合っていただきました。
手をあてている胸の内側を感じていただき、いつでも、この静けさはここにあることを忘れないで欲しい、どんな時でもここに帰ってこれるんだよ、とお伝えしました。
過去にあった辛いこと、未来への不安、そういったものは自分の頭が作りだしていて、実際には今ここにはありません。
胸に手をあてれば、静かな空間が内側に広がっている、そのことを、心が乱れそうになった時に思い出してもらえたら嬉しいです。
【まとめ】
講演の最後に「まとめ」でお伝えしたポイントは3つです。
1.毎日どう感じて生きるかは自分で選べる
➡心の反応のクセを変える2.身体の動きや表情が感情をつくる
➡笑うとポジティブな面にフォーカスできる
➡ジブリッシュで感情を解放し、なりたい自分になる3.今ここに意識を向け、あるがままを受け入れる
➡ネガティブな感情は過去・未来にある
今回、学校保健行事として多くの生徒さんと保護者の方にちょっと変わった体験していただくことができました。
これを体験として記憶して、今後の人生で何かショッキングなできごとが起こって、心がピンチに陥ったときに、思い出してもらえたらいいな~と思います。
心はなかなか、頭で考えているようには思い通りにはなってくれません。
分かってはいるけれど、気分が落ち込んでしまう。
考えなくていいのに、また考えてしまい、心が沈んでしまう。
どうしようもない、困ったな~、という時、あの日の体験を思い出して、解決策のひとつになれたら嬉しいです。
また、陰陽ボールを使った説明の時にお話ししたのですが、黒や白の中に自分がはまり込んでしまうと真っ黒や真っ白にみえますが、ボール(できごと)を少し体から離して眺めてみたり、少し回して違う角度で見ると違った色に見えることを、ぜひ覚えておいてほしいな~と思います。
最後に、改めて関係者の皆さま、ご参加いただいた皆様にお礼を申し上げます。
ありがとうございました。
体験していただいた内容が少しでも皆様のお役に立てたら嬉しいです。