【禅語】柳緑花紅:本来のありのままが命を輝かせる

三寒四温の日々が続いて、一雨ごとに草木が伸びています。

近所の里山を歩いていると、新芽が膨らんで、柔らかくみずみずしい赤ちゃんのような葉っぱが開いて大きくなっていく様子を見ていると、なんともいえない、愛おしい気持ちになります。

「やあ、こんにちは。可愛いね~。」「わあ、大きくなってきたね~!」そんな気持ちをジブリッシュで呟きながら、そっと葉っぱを撫でたりしながら春の散歩を楽しんでいます♪

わあ~、と驚きのジブリッシュをしながら歩くと、たくさんの命の輝きがみえてきます。

春の里山は生命力の宝箱!

一つ一つの命の営みに着目して、ジブリッシュを呟いていると、大いなる自然の法則がそこにあるのを感じます。

この世に生を受けたら一生懸命に生きる。すべては移り変わってゆく。

- 里山で草木が教えてくれる自然の法則

小さな命がその力を発揮して、伸びよう、生きようと輝いているさまをみると、心が動いて、愛おしい気持ち、元気に育ってね~と応援したくなります。

この気持ちをあらゆる生き物、すべての人々に対して思えるようになるのが、菩薩心なのでしょう。

一方で、ふと、この景色を見ても何も感じない人もいるだろうな~とも思います。

春だな~、草が伸びてるな~というのは感じるでしょうが、「特に珍しくもない、ありふれた春の風景。以上」というように、気持ちよさを感じたり、生きているってすごいな~、などと心を動かされたりしない人もいますよね?

なぜ、この命の輝きが見えないんでしょう?

それはずばり、頭の中で作ったフィルターを目の上にかけているからではないでしょうか?

そこで、今週の『禅語で微笑みヨガ』改め『悩みがスッと消える禅語の習慣★笑顔になれる健康体操』では、めっちゃ素敵な春の景色を楽しむのにピッタリな禅語を体感して覚えていきます♪

柳緑花紅

柳は緑 花は紅 真面目

(やなぎはみどり、はなはくれない、しんめんもく)

柳は緑色であり、花は赤色であり、これが本来ある、そのままの姿である。

美しい春の景色を前に詠んだ、蘇東坡の漢詩の一節だそうです。

ポイントは二つ。

1.本来のそのままであることが尊く、美しい

2.本来のありのままの姿を観るのが大切

それぞれを日常生活に活かせる智慧として、お伝えしようと思います。

1.本来のそのままであることが尊く、美しい

1)向いていない役割を担う時:本来の自分は尊いことを忘れない

柳緑花紅。

柳は赤くなれと言われても赤くなれないし、花は緑色になれと言われてもなれません。

社会的に生きている私たちはいろんな役割や任務をまかされて、本来の自分とは違うことをやらざるを得ないことがよくありますよね。

家族の中での役割だったり、お仕事の業務だったり。

ご近所や親戚にも褒められるよい嫁や夫、父や母にならねばとか、苦手な仕事を素早くミスなくこなす従業員にならねばとか。

人それぞれ、向いているものと、そうでないものがあるので、頑張ってやろうとしても、なかなかうまくできないこと、ありますよね~。私がそうです(笑)!

仕事に関しては、適材適所で働いてもらうのが、社員にとっても周囲の人々にとっても最適ですが、マネジメントがうまくいかず、個人が頑張るしかない状況、ありますね~。

そして、頑張って取り組んでも、もともとが向いていないので、上手にできない、結果がでないこともあり、気持ちが落ち込んでしまいますよね~。

そんなときは「柳緑花紅」を思い出してください。

柳のあなたが花の役割をしようとしているので、無理はないんです。

ただ、その役割にあなたがはまれていないだけ。

柳なりに花のように振舞えるよう努力している。

ただそれだけなのことです。自分を責める必要はありません。

逆に、緑の自分が少し赤くなれているのなら、できるようになったこと、上達したことを褒めてあげましょう!

2)本来の自分でいるのが一番美しく、輝ける

柳の木って、枝が柔らかくて垂れ下がり、他の木と比べると独特な形をしていますね。

もし柳の木が、他の木のように枝を横にしっかりと張って立とうとしたらどうでしょうか?

とても疲れるでしょうし、あまり美しい形にはなりません。

柳は風に吹かれてさらさらと揺れるあの形が美しいですよね。

江戸時代の運河沿いの並木のイメージがありますが、他の木のように枝が横に張らないので、日差しを遮らないというメリットもあったのかもしれませんね。

見た目に美しく、場所もとらないし、メンテナンスも楽、という利点があったのかも。

話を戻しますと、柳が他と変わっているからといって、頑張って他の木のように振舞おうとしても、自分のよいところが台無しになって、疲弊してしまいます。

私は柳なんだ、ということに気づくのがまず第一のステップです。

気づいたら、柳らしく生きていこう、と決めるとよいです。

それが一番、本来の命が輝ける生き方だから。

もし今の自分が輝いていないな〜、輝けていないなと〜思ったら、本来の自分自身のままでいられる場所や仲間を探してみて、そこにいる時間を作るのがよいと思います。

自分は本当は望んでないのに、無理をしてやっていることがあれば、できることなら手放してしまいましょう。

無理をしない自分。本来ある自分そのものでいられる時間を長くしていくことで、本来持っている生命力が目覚め、輝いてくるのを感じるはずです。

2.本来のありのままの姿を観るのが大切

冒頭で「頭で作ったフィルターを目にかけているから、春の生命の輝きが目に入ってこないのでは」と申し上げましたが、私たちは気がつかないうちに、たくさんのフィルター付きの眼鏡をかけてしまっていますよね。

私がやっかいだな~と思うフィルターのベスト3は下記です。

  • 1.どうせ〇〇でしょ「知識フィルター」
  • 2.世間的には普通〇〇だよね「常識フィルター 」
  • 3.外界から心を遮断する「要塞フィルター 」

それぞれのフィルターを説明しながら、外す方法をお伝えしていきます。

1.どうせ〇〇でしょ「知識フィルター」を外す

頭で知った知識をもとにモノを眺めると、目の前にそれがあっても、自分自身でそれを感じようとしなくなることがあります。

感じるどころか、見ていないかもしれません。

頭で知った気になった世界は、つまらないですよ~!

と、あえて断言させていただきます(笑)。

感じることをしない生活を続けていると、感じる能力が弱くなっていくのではないかと思います。

ある人に「今の人生は幸せですか?」と聞いたところ、え?という感じでびっくりされて、「幸せかどうかなんて考えたことがないので、よくわかりません。人生こんなものじゃないでしょうか。」といったような答えが返ってきました。

正常なメンタルの男性なのですが、日常で喜んだり嬉しいと思うこともあまりないそうで、感性が鈍くなっていらっしゃるのかな~と思いました。

あたりまえと思っている日常生活も、新鮮な目、知識がまだない赤ちゃんのようなような目でみることができると、感じる力が育って、小さな喜びを感じたり、幸せだな〜と思えたりするのではと思います。

例えば、誰かの話を聞いているときに、「ああ、あれね。知ってる知ってる。」と思ったら、一旦それは脇においておいて、「へー、そうなの~?」と初めて知ったかのように話を聞いてみると面白いです。

同じことについてでも人によって感じ方は違うので、その人の口から出る言葉の中に新たな発見があるかもしれません。

禅師は過去に聞いたことがある小話でも、何度でも初めて聞いたかのように大笑いする、という逸話を何かで読んだことがあります。

知っていると思わないほうが、感性が磨かれて、人生が楽しくなります。

2.世間的に普通は〇〇だよね「常識フィルター」を外す

これは誰にでも、あるあるフィルターですね!

ずばり、常識は他人の価値観です。自分自身の価値観ではないので、往々にして窮屈に感じます。

私にとってはそうなのですが、常識の枠にすっぽりはまって生きていると、それはそれで心地がよいのかもしれませんね!

でも、やはり人が作った価値観の枠ですから、本当の純粋な内なる自分とつながると、ちょっと違うな~ということに気づくのではないでしょうか。

そしてこの常識フィルター、善い悪い、好き嫌い、などの価値観も押し付けてくるので要注意です。

そういえば先日、LGBTQについてのアンコンシャス・バイアスに気づくセッションを受けたのですが、自分自身が気づいていないところでも、この常識フィルターを自分が持っていることに気づかされました。

潜在意識の中に、自分が常識だと思っているフィルターを誰でもが持っているということを自覚する、それが大事なポイントです。

話しはそれましたが、日常生活での常識フィルター、あまり強く意識しすぎると、目の前にいる人のありのままを見ることができずに否定してしまったり、自分自身についても、本来の自分がありのままに在ることを認めなかったりして、心を窮屈なところに追いやり、思うがままに生きることを阻害することに繋がります。

ちょっと苦しいな~、とか、違和感を感じたときには、目の前にかかっている常識フィルターを意識してみて、少しの間だけ外してみるのもよいのではないでしょうか?

ジブリッシュで意味のない言葉を話す魅力の一つに、言語によって価値観が規定されている、この常識フィルターからの解放があります。

いつもの自分の思考回路から離れて、右脳(感性脳)を自由に働かせて、いわゆる普段の常識とは違った動きをしてみると、今まで気づかなかった価値観に気づくことがあります。ぜひ試していただきたいです。

3.外界から心を遮断する「要塞 フィルター」を外す

何かで疲れてしまった心は、自分の安心安全のために、ハートの扉を閉ざして身を守ろうとするのだろうと思います。

それ自体は悪いことではないです。

もっとよく生きたい、もっと楽しい人生を送りたい、と思ったら、ハートを開く必要があります。

オープンになっていないと、人からの愛情がたくさん注がれているのに、気づいて受け取ることができなかったり、美しいものが目の前にあるのに、美しさに気づけなかったりしますよね。

もし「人生はつまらない」と感じたとしたら、「人生を(自分が)つまらなくしている」ということに気づけたらよいな~と思います。

それに気づけたら、あとは行動すればよいだけです!

少しずつでもよいので、要塞を開いて、心をオープンすると、新鮮な空気と共に愛と喜びが流れ込んでくるはずです。

心をオープンにするには、まずは「驚き」の感情を味わってみましょう。

ジブリッシュができる方はしゃべりながら、しゃべれない方は「うわぁ~」もしくは「Wow!」と言いながら、初めてみるような目で、よくあるものを見たり感じたりして、大袈裟に驚いているふりをしてみてください。

実際にやってみると、何か新しい発見が生まれてきます。見えてくるものがあります。

ありふれた(と思っていた)日常生活で目にするものの中に新しい発見が生まれ、極端な言い方をすれば、モノクロ映画のようになってしまった日常生活に彩が生まれ、カラフルな3D映画になるかもしれません!

対象はなんでもよいです。

「うわ~!」「へー!」と大袈裟に驚いてから、感覚を集中して対象に向き合うと、例えば、朝日が窓ガラスに反射するとこんなにキレイだったのか~、コーヒーはこんな複雑な香りだったのか~、気が付かなかった~!と新しい発見につながり、ちょっと嬉しいこと、美しいものに気づくことができます。

また、人と話すときは、よく知っている人であっても、話の内容に集中して、初めて聞くかのように聞いてみるとよいです。

そして、「え~?」と驚き、「へ~!」と感心し、「知らなかった~!」と新しい発見をするうちに、相手に対して心がオープンになっていくのを感じるはずです。

できれば、話し相手の関心に対して新鮮な興味を寄せると、相手も嬉しくなって心をオープンにしてくれるので、さらに会話が盛り上がります。

まとめ:

柳緑花紅。

本来のありのままの姿であることが尊く、美しい。

ご自分が何かで無理をしていたり、うまくできない自分を責めていることがあったとしたら、本来の自分ではないことをしているので、しょうがないよね~と、笑ってみちゃいましょう!

最近なんだか感動していないな~、春の陽ざしがポカポカしているのに、ウキウキ楽しい気分にならないな~、と思ったら、3つのフィルターを外してみて、本来の命の尊さ、美しさをご自身の心に映しましょう!

小さな喜びを感じるには、まずは感じる力を磨くのが一番なので、マインドフルネスが有効です。

また、幸せの4因子「やってみよう、なんとかなる、ありのままに、ありがとう」の「なんとかなる」の楽観的なマインドセットを作るワークもおススメです!

実際には良いニュースがあるわけではないのにエクササイズとして大笑いして大喜びしているうちに、脳が勘違いして、こんなに余裕で笑っているのだから「なんとかなる」と思いはじめるので、面白いものです。

ぜひ私の『微笑みメンタル』のオンライン朝活を体験してみてください!

つぼみのような芽が膨らみ、
柔らかな葉が太陽を求めて開いていく。
精一杯生きる姿が愛おしい♡