【禅語】清流無間断:価値を繋ぎ、新しくあり続ける
先週末は長野の山を登ってきました。
夏山でいつも心を惹かれるのは渓流。
透きとおった清らかな水がざぶざぶと流れる様子を見ると、涼しいだけでなく、豊かな気持ちになります。
生命を育む水。水が足りない国はたくさんあるのに、清らかな水資源が豊富な国、日本に私は住んでいる。
ありがたいな~、と思います♡
裸足で川に入るとキーンと冷たくて、気持ちよかったです♪
今月の禅語は「清流無間断」(せいりゅう かんだんなし)。
夏の暑さを忘れる涼しいイメージなので、お茶の席に飾ることも多いそう。
清らからな水が絶えず流れていく。美しい光景で、涼しい気分になりますね~♪
清流間断無く、碧樹曾て凋まず
せいりゅう かんだんなく、へきじゅ かつて しぼまず。
『禅林句集』より
清らかな水がこんこんと絶えず流れる川には絶えまなく新しい水が流れ続け、松などの常緑の樹々はいつも青く枯れることがない。
禅宗では清流をブッダの教えになぞらえ、価値ある教えが先達から途切れずに受け継がれてきたありがたさを伝える言葉だといいます。
清流は常に新しい水が流れ続けて淀まない。常に変化してフレッシュな状態で流れていることから、日々新しくアップデートする努力の大切さや、変化を受け容れて人生を流れていく、そんなイメージも浮かびます。
この禅語を日常生活で活かすポイントを下記の3つに分けてお伝えします。
1. 脈々と受け継がれてきた価値あるものを大事にする
2. 常に新しくアップデートする努力を重ねる
3.変化を恐れずに受け入れ、流れに身を任せて漂う
1.脈々と受け継がれてきた価値あるものを大事にする
途切れることなく繋がってきた価値あるものといえば、命。
自分自身のご先祖様って何人ぐらいご存じですか?
家系図があるような名家の方もいらっしゃると思いますが、遠くても曾祖父母ぐらいまでの名前をリアルに知っていたり、写真などでその姿をみたことがある人が多いのではないでしょうか。
人数でいうと、父と母にその父と母がそれぞれいるので、2x2x2=8人ぐらいがマックスかもしれません。
この図をどこで見つけたのか忘れてしまい引用元を表示できずに申し訳ないのですが、7代まで遡ったご先祖様に繋がる系図を表しています。
7代まで遡ると男女合わせて254人になるそうです。
一番外側の円のところに並ぶ青と赤の男女が254人のご先祖様。
真ん中の黄色い円が私の存在です。
ご先祖様の数をさらに数えた方がいらっしゃって、一生を20年とすると、10代前で1024人、20代前で104万8576人、27代前で1億人を超えるそう!
ものすごい数の人々を経て受け継がれてきた命が私たちの身体の中に宿っているのですね~♡
何か大事な場面で神頼みをするときには、私は無意識ながらご先祖様にお願いしているような気がします。
私に命を分け与えてくれた、その方々なのですから、みんな私のサポーターなのではないかと!
都合のよい考え方かもしれませんが(笑)
ご先祖様は誰にでもいます。
間違いなく7代前まで遡れば、254人の自分のサポーターがいたのです。
この図の円に並ぶ254人のサポーターをイメージすると、自分のかけがえのない命が見えてくるのではないでしょうか?
自尊感情がこのご先祖サポーターたちに支えられ、自分の尊い命を大事にしよう、一度きりの人生を大事に生きよう、そんな気持ちになるかもしれません。
お盆になったら、お墓にいかなくても、今いる場所でも構わないと思います。
心の中でご先祖様たちに感謝の気持ちを伝えましょう。
「私は今ここで、いただいた命を大事にして生きています。ありがとうございます。応援よろしくお願いします。」とご報告してみるとよいのはないでしょうか。
254人のサポーターを味方につけましょう!
2. 常に新しくアップデートする努力を重ねる
世の中の流れ、流行だけでなく、テクノロジーの進化は凄まじい速さですよね~。
中には速いスピードに乗ることをあきらめてしまう場合もありますね。
仙人のように生きられるならよいのですが、アップデートを放棄してしまうと、取り残されてしまって不便を経験するということが多々あります。
例えていうなら、清流の中の置石になってしまったような感じでしょうか。
流れて漂っていくことはできず、ざぶざぶと流れる水の圧力に押されて耐えながらその場に居なくてはなりません。
ある意味、流れに乗る覚悟を決めて、漂ってみるのが楽に生きるコツなのではないかと思います。
例えば、私の姉はデジタルの波に乗らないと決めこんだタイプで、少し前に仕方なくガラケーからスマホに変えました。パソコンもあまり使えないのではと思います。
恐らく、使ってこなかったゆえに、デジタル・ディバイドで自分が失ってきた価値に気づくことも難しいのだろうなぁと思います。
今までも色々なサービスを利用する上で不便を感じてきたのではと思いますが、これからスマホを使わざるを得ない状況になり、習得する苦労があるので気の毒です。
川にはいつも新しい水が流れているので清らかです。
水溜まりのように淀んで濁らないように、新しいものを取り入れて、自分を新しくアップデートしていく。
新しいことを学ぶのは楽しいものです。
新しいことを知ると世界が広がります。
夜が明けると新しい朝、新しい一日が待っています。
自分自身も昨日の朝とは同じではない自分です。
新しくアップデートして、フレッシュに保っていきましょう!
3.変化を恐れずに受け入れ、流れに身を任せて漂う
山で清流を眺めて涼みながら、どんどん新しい水が流れていく様子を見ていたら、頭に浮かんだのはこの一節でした。
ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。
淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。
世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。
『方丈記』より
訳:川の流れは絶えることはなく、それでいてそこを流れる水は、同じもとの水ではない。
川のよどみに浮かぶ水の泡は、一方では消え、また一方では生じて、そのまま長くとどまっていることはない。
世の中に生きている人とその人たちの住処もまた、この川の流れや水の泡のようなものである。
人生そのものや、その中で起こる様々なイベントは川の流れのように移ろい、水の泡のように生じては、はかなく消えていく。
幼少期、学童期、進学、就職、結婚、出産、子育て、新居、転職、引っ越し、出会い、別れ、旅行、最高のひと時、辛かったあの時。
それぞれのイベントは一大事ですが、人生の終盤に振り返ると、どれもはかない泡のようなものなのでしょう。
人生の流れの中で、嬉しい、楽しい、ラッキー、ハッピーな流れを見つけたら。
その流れには取り残されないように乗っかって、パドルで漕いでさらにスピードを増すぐらいの気持ちで流されていきましょう♪
人生の流れの中にはできれば避けたかった辛いこと、事故や天災、病気などの荒波の瀬があるかもしれません。
そんな流れに巻き込まれてしまったら、無理をせず、現状を受け容れ、力を抜いて漂って流れていきましょう。
サーフィンで波に巻かれた時には力任せにもがいたり、パニックになるのが一番危ないといいます。
力を抜いて、人生の荒波に漂ううちに、ポッカリと穏やかな川面に浮かんでいる自分に気づくかもしれません。
現状に気づき、それを受け容れ、流れに身を任せる。
変化に気づき、それを受け容れ、 流れに身を任せる。
ちょっとしんどいな~、辛いな~、苦しいな~と感じた時に、深呼吸しながらこれを唱えてみてください。
波に巻かれている自分の上にある水面はキラキラと太陽に輝いているかもしれません。
水面にポッカリと浮かんだら、爽やかな風が吹いているかもしれません。
まとめ
清流無間断。
冷たく涼しいイメージの言葉ですが、筆に熱がこもって暑苦しく感じられてしまったでしょうか(笑)
1 . 脈々と受け継がれてきた価値あるものを大事にする
2 . 常に新しくアップデートする努力を重ねる
3 . 変化を恐れずに受け入れ、流れに身を任せて漂う
という3つのポイントでお伝えしました。
清流の涼しいイメージに自己のありたい姿を重ね、夏の暑さを乗り切りましょう♪
最高の一日一日をお過ごしください♡
長文お読みいただき、ありがとうございます。
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