【禅語】無念無想:考えないのも大事
ようやく爽やかな秋の風が吹き始めましたね~♪
季節の変わり目は、「すべてのものは移り変わる」という自然の法則がよく分かりますね。
過ぎゆくものを愛おしく思いながら手放して、これから来るものにを心躍らせて参りましょう!
この夏は外が暑すぎたので、涼しい映画館へよく行きました。
『トップガン マーヴェリック』を観たのですが、58歳のトム・クルーズとハリウッド映画の底力に感動しました♪
映画の中で最悪のピンチ、絶体絶命の状況で言われた言葉が
”Don't think , Just do.”(考えるな、行動しろ)。
頭で考えたら不可能なことも、直観に従って行動するのが正解、そんな示唆に富んだセリフでした。
禅には「無念無想(むねんむそう)」という言葉があります。
「無念無想」とは、様々な雑念を手放し、思考や想いから自由になった無我の境地のこと。坐禅の心得とされます。
一般的には、雑念を取り払う、欲望を捨てる、集中するといった意味合いで使われ、武道やスポーツでよいパフォーマンスを引き出すためのお手本とされるそうです。
勝敗にこだわる気持ちを捨てて、究極の集中状態に入ると、今までの実力以上のパフォーマンスが出来た、という話しをよく聞きますよね♪
今月は「無念無想」の智慧について、4つのポイントでお伝えします。
- 1.ピンチでは思考を止めて本能に集中
- 2.あえて思考を止め、煩わされない選択も
- 3.Happyになるために思考の検閲官を黙らせる
- 4.どうすれば無念無想になれるか?
1.ピンチでは思考を止めて本能に集中
映画の中のセリフといえば、ブルース・リーの”Don’t think, Feel."(考えるな、感じろ)も有名ですね。
思考を止めることで、感覚が研ぎ澄まされて、集中できるんですね~。
考えすぎると直感が鈍くなってしまって、結果的に間違った決断のほうに導かれてしまうことがあるように思います。
映画マーヴェリックの中で、究極のコースを飛ばなければ生き延びられないパイロットたちは、ちょっとでも思考に惑わされてスピードダウンすると死に繋がるのですが、一方で理性脳が「無理無理、スピード落とさなきゃ危ないよ~、死んじゃうよ~」と言ってきます。
また、絶体絶命の敵陣から脱出する方法について、「そんなやり方は無理だ、ありえない」と言ってきます。
それはそうですよね!
生命を維持するために、理性脳は色々な情報を提供して、警告を出すのが役割です。
もちろん、そんな危機に陥ったことがないので、想像するしかないのですが、絶体絶命の危機に陥った時に、一番のよりどころとなるのは、理性ではなくて、本能から来る突き上げてくる衝動なのではないか、そんな気がしています。
生命体としての人間の生存本能が「これだ!こうすれば生き延びれる!」と直感で判断したやり方のほうが正解で、生命を救うことができる可能性が高いのではないかと。
ピンチにおける、思考を超えた感覚による判断。
まさに「無念無想」な状態ですね。
九死に一生を得るような場面がいつかあったら、覚えておきたい言葉です。
さて、そんな危機ではなくても、日常生活の中での小さなピンチ。
例えば、プライベートな人間関係で「大失敗しちゃった~!」というピンチの時のリカバリー方法(笑)
頭で考えると「〇〇だしXXだし△△なんだから、、、□□だわよねー」と理論が積み上げられていきそうです。
でももし、自分の「感覚」として、失敗をして誰かに迷惑をかけたり、不快な思いをさせてしまったのだとしたら、直観はきっと「謝って、許してほしい」「この苦しい思いを解消して、以前の心地よい感覚に戻りたい」と思っているのではと思います。
素直に謝るのを邪魔しているのが思考だとしたら、ちょっとお邪魔ものですよね!
そんな時は少し思考を停止して、感性、感覚を大事に”Just Feel”、ただ感じる。
そして、今、これが最善だと思う行動を”Just Do”、素直にやる、ことができたらよいかも。
相手は想定外の反応にびっくりするかもしれませんが、素直に行動してくれたことに関して喜んでくれるでしょうし、後々のわだかまりを残すことがないのではと思います♡
2.あえて思考を止め、煩わされない選択も
禅の「無念無想」の崇高な境地から比べると、小さな話しになってしまうのですが、あえて考えない、思考に耳を傾けないようにブロックすることも、メンタルの状態と気分を快適な状態に保つのに効果的です。
例えば、日用品の買い物の時。
私はスーパーでの買い物がちょっと苦手です。
レジが終わって荷物をバッグに詰め終わると、どっと疲れていたりします。
何かを買おうとすると、たくさんの商品の選択肢があるので、どれが美味しくて、どれがお買い得なのか、グラム当たり何円なのかという苦手な計算をしながら、真剣に選んでしまうんですよね~(笑)
ネットショッピングは苦手な店内に行かなくてよいものの、情報がたくさん載っているので、これもまた疲れます。
製品の説明を読んで、どれがよさそうか、どれがお買い得なのかを比較検討してしまい、すご~く時間がかかることも。
文房具屋さんに行く時間を節約しようと、Amazonで修正テープを買おうとしたら、たくさんの種類と出品者がいて、さらに3個セットで割安な製品があったりして、どれにしようか困りました。
店頭だったらさっと買えているはずの修正テープについて、レビューで評判をみたりして、時間を使って選んでいる自分がいました。
結論として、消耗品や小さな買い物は、あれこれと考えず、最初に表示された、悪くないなーと思えるものを直観でさっさとポチるのが一番よいことに気づきました!
もちろん、電子機器や高い買い物をするときにはスペックや値段を比べて吟味しますが、大して重要ではない生活必需品の買い物に時間をかけるのは本望ではないですよね~。
頭を空っぽにさっと買ってしまったほうが精神的にも疲れないし、時間を浪費せずに快適です。
また、いつかそのうちに買おうと思っていると、忘れてしまいがちなので、ピンときた品物に出会ったら、後回しにせずに、その場で購入しちゃうのもシンプルで気持ちがよいな~と思います。
小さなことにも気がついて、色々と親切に情報提供してくれる脳の働きには感謝するのですが、あえて思考を止めて、煩わしいことはサッサと早めに済ませてしまい、ゆったりした心と時間を楽しむのがいいように感じています♪
あ~、なんだか煩わしいな~、と思うときには、無念無想になり、ちょっとだけ無責任ですが、Just Doして、おしまい!
そしてスッキリする。一つの方法かと思います。
3.Happyになるために思考の検閲官を黙らせる
最近、自分自身の体験で思うのですが、自分がどんなエネルギーレベルの状態で在るか、ということはとても大事だな~と思います。
詳しくは『パワーか、フォースか』という本をご覧いただきたいのですが、簡単にお伝えすると、自分の内側からワクワクと湧き上がってくる力が「パワー」で、他人の価値観でやらされている力が「フォース」とよばれ、同じ力の大きさでも、エネルギーの質が違うのだと。
キネシオロジーという手法でエネルギーの強さを計測すると、歓喜、幸福、愛などのポジティブな感情に基づく力はエネルギーのレベルが高い「パワー」だそうです。
幸せを感じてイキイキと生きるためには「パワー」で日々自分を満たしながら活動するのが秘訣なのではと感じます。
本当にやりたいと思っていることは、何時間やっても疲れませんし、苦痛になりませんよね。
好きなことは、やり終わった後に疲れるどころか、かえってイキイキとして元気がでたりすること、ないですか?
例えば、私は『微笑みメンタル』を伝えるお仕事が大好きなので、このブログを書くのに時間がかかっても、書き終わった後に晴れ晴れとした、爽快な気分になれます♪
また、「パワー」は感情脳(右脳)が「やりたーい!」と思ってこみあげてくる、ちょっと遊び心がある原動力だったりもします。
そんなとき、理性脳(左脳)が「イヤイヤそれはバカげている。そんなことをしても何になる?やめたほうがいいよ!」というダメ出しをしてくることがありますよね。
『The Artist's Way(ずっとやりたかったことを、やりなさい)』という本では、それを理性脳の「検閲官」とよんでいます。
のびのびと、子供のようになった感性が「やりたーい!」と言っているときには、検閲官には少し黙っていただいて、「OK!やってみなさいよ!」と認めてあげて、背中を押してあげると、内側から湧き上がる「パワー」は喜んで活躍してくれて、素敵な行動に繋がるのではないかと思います。
よりよい人生、喜びに溢れた人生を送るためには、自分の思考に支配されずに、思考をコントロールできる術を知っていると便利です。
どうすれば無念無想になれるか?
ではどのようにすれば思考を黙らせることができるでしょうか?
身体の動きを使って訓練するのが一番よいと思います。
坐禅やヨガのポーズなどの修行は身体を使って心を鍛錬するための方法ですが、思考は思考ではコントロールできないからです。
【1】思考に気づく
まずは今自分が「考えている」ということに「気づく」のがスタートなので、まずは、気づけるようになる練習が必要です。
具体的には今実際に動いている身体の動き、呼吸や歩行など、対象は何でもよいので、意識を向け続けるマインドフルネスが有効です。
対象が平凡でつまらないものであればあるほど、意識がさまよい始めて、思考が始まりますので、思考が生まれたな~と気づいて、箒で掃くようにサッと手放して、また身体の動き、実際の感覚に意識を向けなおします。
これを何度もやっていると、我知らずに思考のブツブツが始まっていても、それに気づく力が養われ、その次の止めるアクションをとれるようになります。
【2】思考を止める
頭で思考を止めようとするのは難しいので、身体の動きが有効です。
例えば、簡単にできる方法は「笑い」です。
楽しいから笑うわけではないので、正確に言うと「笑う動作」です。
笑っている間は何も考えられません。
笑う動作は頭の中のネガティブな考えを一掃するような破壊力があります(笑)
口から出まかせな言葉をしゃべる「ジブリッシュ」も思考を強制終了することができます。
声を口に出すことで、耳からも聞こえてきますし、頭蓋骨の中にも響くので強烈です。
同じように声を使う方法で、歌を歌うのもよいですし、お経やセリフを唱えるのもよいですね。
思考が止まるぐらいの高速スクワットや腕立て伏せなど、身体を動かす筋トレもよいかもしれないですし、呼吸に意識を向け続けるマインドフルネスでもよいでしょう。
思考のブツブツが始まったら、その場ですぐ対処できる方法を持っておくと、役に立つと思います。
最後に
自分の感性を邪魔する、ブロックしたほうがよい思考は下記の二つ。
呪文のように、無念無想とセットにして記憶するのはいかがでしょう♡
「自分を責めたり、苦しめてくるような頭の中のおしゃべり。」=サッサと手放し、無念無想。
「社会の常識をたてに押し付けてくる、他人の価値観に基づく独り言」 =サッサと手放し、無念無想。
目指せ、澄み渡る青空のような、無念無想!
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