【禅語】和顔愛語:表情や言葉で慈しみを伝える

ここ数年、オンラインでの集まりが増えて、初対面の人と会う機会が以前より多くなったという方もいらっしゃるのではと思います。

初めて会った人との会話を交わすときに緊張する、苦手~、何を話したらよいかわからなくて困る~、なんて思うことありませんか?

会話のキャッチボールが始まっても、共通点などのトピックが見つかればよいのですが、なんとなくチグハグな、つまらない会話になってしまったり。頑張って話そうとすると、かえってぎこちなくなり、空回りしてしまったり。

私も以前はそうでした。へんな汗が出てきたりすることも(笑)

ですが、これさえ知っていれば簡単に会話を弾ませるコツがありますので、今日の解説の中でそれをお伝えしようと思います!

今月のテーマは「和顔愛語(わげんあいご)」。

意味は「和やかな笑顔で、やさしく思いやりのある言葉を使う」こと。

自分以外の人に与えるものを「お布施」と言いますが、お金以外の7つの布施=「無財の七施」の中に含まれる、「笑顔」と「やさしい言葉」の二つが含まれています。前のブログでお伝えした「慈眼:慈しみの眼差しは幸福をよぶ」も七施の一つに含まれます。

今月は「和顔愛語」の智慧を日常生活に活かして、楽に生きる方法を3つお伝えします。

1.初対面の人には「いいね」ポイントを探す

初めて顔合わせする方は、私がどんな人かわからないので、相手も心を構えていたり、緊張しているかもしれません。

まずは最初のご挨拶のときにニコッと微笑んで、相手の心を和らげ、心の構えを開くきっかけを作りましょう!

そして会話が始まったら、以下の二つに留意します。

1)相手の「いいな~♡」「素敵だな~♡」と思う点を見つける

2)それを笑顔で口に出して伝える

たった、これだけで、驚くほど会話がスムーズに、お互いに良い気分で会話が進みます。ぜひ、試してみてください!

相手の方は初めて会う人に自分の良い点を見つけてもらい、それに興味を持ってもらって褒められるという、ちょっと嬉しい体験ができるわけです。

無理をして褒める必要はないですし、小さなことでも、対象は何でも構いません。

例えば、見た目でしたら、お洋服や雰囲気、髪、アクセサリー、メガネ、表情など、「いいな~」「素敵だな~」と感じたものがあれば、それをお伝えします。

会話の内容でしたら、「ほほ~」「へえ~」という何か発見があるかもしれない、という態度で相手の話しを聞き、相手の”興味関心をもっていること”について自分の興味を寄せていくと、「へ~」「わ~」という驚きが生まれて、「素敵!」「さすが!」というポイントが見つかりやすくなります。

そして、それを見つけたら、思っているだけでなく、口に出してみる、これが重要です!

もしも、真逆のやり方で、お相手の「よくないな~」「嫌だな~」と思うポイントに意識が向いていたらどうなるでしょうか?

容姿について、会話の内容について、それについて言葉に出さなかったとしても、「〇〇が嫌な人」という印象を持ちながら会話をしても、自分自身もちょっと不快な気分になるでしょうし、相手にもこちらの感情が伝わりますので、きっと楽しく会話を続けられないでしょう。

初対面に限らず、誰にでもそうですが、相手のよいところ、素敵なところ、に着目して会話をすると、話題がポジティブですので、自然と笑顔になり、お互いによい気分で会話をすることができます。

ぜひ、お試しください♪

2、自分自身を慈しみ、自分にやさしい言葉をかける

自分にとって自分自身は自分を支え、応援してくれる、筆頭のサポーターです。

うまくいっているときの自分を受け容れるのは簡単ですが、そうでないときの自分を受け容れるのはなかなか難しいですよね~。

「また失敗した」「ほら、やっぱり出来ないじゃないか」「どうせ、私なんか」などの自己嫌悪のつぶやきが聞こえ始めたら、それはあなたのサポーターではありません。違う人です!

すぐに頭の中の声を止めましょう!

具体的には腰に手をあて胸を張り、お腹の底から笑うのをおススメします。思考が止まります。

ジブリッシュで寸劇にしてみてもよいです。

例えば、上手くいかなかったことを責める声、「あ~、がっかりしちゃったな~、私ダメなのかも~」というAさん。


「まあまあ、いいじゃないか、失敗しないと成功できないからね~、失敗してむしろラッキーだったよ、イエーイ!」というBさん。

という設定で脳天気なジブリッシュをやっているうちに、思考が止まり、変な自分にクスっと笑えて気分が切り替わり、次にやるべき建設的な一手が見えてくるかもしれません。

ポイントは自分で自分自身に対して、

1.うまくいかなくても、「いいんだよ~」「頑張ったね~」「大丈夫だよ~」とお母さんが子供をあやすように、ニッコリと微笑んであげる=和顔

2.「きっと次はうまくいく」「あなたなら出来ると信じているよ~」と、やさしいコーチのように、温かい励ましの言葉をかけてあげる=愛語

うまくいかないことがあったら、思い出してやってみてください♪

3、不快な状況こそ、人にやさしい言葉を伝えよう

あなたが日常生活で一緒の時間を過ごす人、よくコミュニケーションをとる人、たまたま顔を合わせる人は誰でしょう?

同居の家族。お仕事の仲間やお客さん。散歩ですれ違うご近所の人。たまたま電車で一緒になった人、など。

あなたがニッコリと笑顔で、やさしく思いやりのある言葉を発していると、「無財の七施」でその皆さんのお役に立つことができます。

これは分かりやすいですね♪

ですが、これもまた、うまくいっていない状況や、自分が不快に感じている状況では、困難を極めますよね~!

一気にハードルが上がります。

道元禅師の「愛語は愛心より起こる、愛心は慈心を種子とせり。愛語能く廻天の力あることを学すべきなり」という言葉があるのですが、意訳してみました。

やさしく思いやりのある言葉は、慈しみの種が心の中で育ってできた、愛の気持ちから出てくる。

やさしく思いやりのある言葉は、天地をひっくり返すほどの力があることを学びなさい。

『正法眼蔵』道元禅師

やさしく思いやりのある言葉は、慈しみの気持ちがあるから口から出てきます。

例えばご家族やパートナー、仕事の同僚など、厳しい表情で厳しい言葉を言ってしまったとき、その後で、それが本当にその人のためを思って言っているのかどうか、自分のエゴを満足させるためではないのか、など振り返るとよいのではないでしょうか。

相手が大切な人だったら、なおさら重要です。

それが慈しみの心から出てきているのか、そうでないのかを確認してみる。

もし違ったら、「さっきは言いすぎちゃった」と謝るのもよいでしょう。

だって人間だもの。テヘペロ。ゴメン!と素直に謝ります。

もし、相手の行動を変えたいのなら、愛語、です!

天地をひっくり返すほどの力を持っているのですから。

話しは変わって、誰かの行動や、周りの環境が自分自身に不快な思いを与えているときを想像してみてください。

「なんで〇〇するのよ~、やめてくれないかな~」「ほんと〇〇って嫌だわ~、消えてほしい~」など、愛のないネガティブな言葉を声にだしたり、言わなくても頭の中で繰り返していたら、どうでしょう?

心の中はイライラとしたり、不快な思いで満たされていきます。

その時のあなたの顔はどうでしょうか?

きっと苦々しい、不快な表情が浮かんでいますよね。

不快な対象への意思表示のつもりが、残念ながら、表情筋の動きは心に影響を与えますので、あなたの心ではその表情の影響でさらに不快な感情が大きくなっていきます。

つまり、お伝えしたいのは、外の対象に向かって発しているつもりの愛のない言葉や、愛のない冷たい視線、苦痛な表情は、結局のところ、あなた自身の心の状態を悪くしていますよ~、ということです。

そんな時には、不快な対象から意識を引き剝がして、心地よいものに意識をずらしていきます

笑いやジブリッシュ、本を超集中して読むなど、どんな方法でもよいので、頭の中で悪態をつく品のない輩のような思考をストップし(笑)、心地よいものに意識をフォーカスして、ニッコリ微笑んで、自分の心を守りましょう!

さらに上級者であれば、周囲を不快にする行動をまき散らしている人がいるとしたら、その人は何かの事情があって、それをしてしまっているのだろうな~と思いを馳せてみましょう。

気の毒な人だな~。この人のために何か自分にできることはないかな~、と考えてみます。

慈しみの気持ちから、何かやさしい言葉をかけてあげる。微笑んで、何かお手伝いしてあげる。

気の毒な、哀れなその人の苦しみを少し減らせるかもしれません。

慈しみの気持ちから生じる行動は、天地をひっくり返すほどの力があります。

その人の価値観や人生観を変えてしまうほどの力を発揮するかもしれません!

このブログが誰かのお役に立てたら嬉しいです♡

毎月第2火曜朝6:30~、オンラインで禅語をテーマに、笑う動作など、身体の動きを使って心のクセを変える朝活を主催しています。

↓ご興味ある方はお試しください♪

悩みがスッと消える禅の習慣★微笑みヨガ

皆の好きな言葉を即興で繋ぎ合わせ、一曲に紡ぐ。
言葉をくれた人への慈しみを感じる歌だった

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