【禅語】脚下照顧:自分を明らかに。今年を振り返り、願いを叶える

 もうすぐ年の瀬。

「ああ、〇〇をやらずに今年が終わってしまいそうだ~」、なんて思ったりしていませんか?

そんな気持ちになった時に、前向きに今年を振り返って、次の行動につなげていくヒントをもらえる禅語があります。

「脚下照顧(きゃっかしょうこ)」

文字通りには、「足元を照らしてよく見なさい」という意味です。

もともとは禅の修行の際に、理想や理論ばかりを追い求めて、実践をおろそかにしていないかどうか、自分自身が置かれている状況、実際にやっていることをよく見つめて、反省する心を説く言葉だそうです。

理想は〇〇をしたかったけれど、実際はできなかった。やらなかった。

よくありますよね~。

小さなことだと、今日は本当は〇〇をしたかったのに、忙しくてできなかった。

大きなことだと、〇〇な人生を送りたかったのに、かなわなかった。

そんな願いがかなわなかった、残念な思いをしないために、よーく自分の状況や実際にやっていることを見る。知る。「脚下照顧」が役に立ちます。

願望を実現させるためには、次の3つのステップに分けて行うとよいです。

1. 自分の状況を知る

2. 自分の行動を知る

3. 実行しない理由を知り、対策を考える

以下、詳しくご紹介していきます。

1.【自分の状況を知る】

まずはこれが一番大事、すべてのスタートになります。

よーく考えてみてください。なぜこの願望を実現したいのか。

客観的に知るために、紙でもパソコンでも、言葉にして書き出すことをおススメします。

1)今どんな状況にあって、どう変わりたいのか?

2)それを実現したい理由は?

3)それが実現すると、どんな良いことがあるのか?

2の実現したい理由を書いてみたら、しっくりと来ないという場合もあるかもしれません。

これは願望を実現するモチベーションですので、とても大事です。

もしも、腑に落ちていなければ、願望が実現しにくくなるので、色々な角度から見て、よく考えてみてください。

例えば、「家族が喜ぶから」ではなく、「家族が喜んでくれることで、私が最高に嬉しいと感じて、自分自身に満足できるから」と言い換えるなど。

同じことなのですが、自分自身が納得する表現にするのがポイントです。

3は願望が実現したときの報酬とも言えます。人間の脳は報酬があるとやりたくなる性質があるので、これがイメージできると実現への道が開いていきます。

もし、あまり魅力的な報酬がない場合には、自分へのご褒美を報酬に設定するのも効果的です。

この1から3までを書き出すワークの段階で、実は、やりたいと思っていたことは、本当は望んでいないことだった、と気づくかもしれません。

やりたくないことを、やりたいことなのだ、と錯覚している場合もあります。

それに気づいたら、その目標はもう不要なので、手放して、スッキリします。

2.【自分の行動を知る】

毎日、自分がどんな時間の使い方をしているかを知るために、スケジュール表に書いてみましょう。手帳でもアプリでもOKですが、1時間刻みでなく、30分刻みの表がおススメです。

これをやると、「時間が無いからできない」という幻想が消えます。

空いている時間が見えるので、スキマ時間を活用したり、この願望を実現するための時間を、他の予定を調整することで、作れるようになります。

やりたいこと、かなえたいことのための時間を、予定表に記入する。

後はやるだけです!

一日の中で、空いているはずの時間枠を奪っていく、意外とばかにならないのは、スマホの通知がきっかけで、つい見てしまうSNSやYouTube、ニュースなどにとられる時間です。

ひとつ見ると、次々に気になる話題や、知りたくなることを、スマホは最強のアルゴリズムを屈指したテクノロジーで見せてくるので、まともに戦っても勝てませんので、対策が必要です。

時間を作りたい方は通知をオフにして、うっかり時間を取られないようにしましょう。

通知をオフにしても、自分が見たい時に確認すればよいので、何とかなります。

まずは試しに3日間だけやってみると、いいと思います。とても快適です。

朝目覚めてみるロック画面に何もない!

誰にも邪魔されない、清々しい私だけの朝の時間を楽しめます。

※詳しくは『Make Time(時間術大全)』をご覧ください。別の機会にまたお伝えしたいのですが、役に立つ方法が書かれています。

3.【実行しない理由を知り、対策を考える】

ここからは分かりやすいように、私の事例を紹介しながらお伝えしようと思います。

今年の秋、YouTubeでプロの画家がクレヨンで風景画を素晴らしく描くテクニックを紹介しているのを観て、水彩は面倒だけれど、クレヨンなら気軽にかけそうだと思い、さっそく画用紙とクレヨンを買いに行きました。

サーフィンの波待ちで見た、海に太陽がキラキラと反射して、空と雲が何とも言えない色に染まっている景色を描いてみたいと、ずっと思っていたからです。

しかし、なかなか描くことができません。

購入した画材を片付けてしまうと、描きたいと思ったこと自体を忘れてしまいそうなので、わざと目に入るところに出して置いてあります。

でも、2カ月以上経ちますが、実現していません。

「描きたいけれど十分な時間がなくて、、、」と思っていました。

自由に使える時間はありますが、いつも他の優先順位の高いことに使ってしまうからです。

でも、予定表に「クレヨンで絵を描く」と、そのための時間を記入して、確保してしまえば、あとはやるだけ、実現することを私は知っています。

「本当はやりたくないのかも?」

そう自問してみました。でも答えは「やりたい」。それは間違いないんです。

でもよ~く考えてみると、「やりたい」けれども「やりたくない」が正解でした。

何が「やりたくない」と思わせているのか?

もしかしたら、潜在意識のどこかで「たった18色のクレヨンで描くのは難しそう」「うまく描けなかったら、それを見たときに、自分ががっかりするだろうな~」という、ブロックがはたらいているのかもしれない、ということに気づきました。

では、その心理的なブロックを外すにはどんな対策をすればよいでしょうか?

ハードルを下げて、自分が描きたい絵を描くのではなくて、まず一回目は、先生と同じ絵をなるべく小さなものから、模写して描いてみようと、決めます。

それなら、最初の一回めは、短い時間を確保して、気楽にやり始めることができそうです。

という風に、自分の足元、どんな状況で、何を思って、何を実際にやっているのかを、光に照らして明らかにしていくと、理想や願望の実現につながる行動が見えてきます。

今年を振り返るときに、参考にしていただければ幸いです。